成功するFX投資家とは?

景況感に関心を寄せることはどんなFX投資家でも重要

FXトレードimage

 

短期の為替取引では、ファンダメンタルズは役に立たないと感じる個人投資家が結構多くいます。

 

テクニカルな分析で取引する方であっても、売買のシグナルが有効かどうか判断しようとすれば、それもひとつのファンダメンタルズ分析です。例えば、チャートポイントでセオリー通り止まれば短期筋の動きでしょうし、止まらなければ実需筋の動きが強いのかなと考える。こうした想像が働くことで、トレードの成功確率が五分五分以上に高められるのではないでしょうか。

 

ちなみに、銀行のトレーダーで、24時間以上ポジションを持たないような人でも、長く活躍している人ほどファンダメンタルズに詳しく、細かすぎるくらい気にします。成功している海外ヘッジファンドの人たちの中には、我々以上に日本のことを知っている人もいます。

 

2005年頃だったと思いますが、あるヘッジファンドの方から、まだ始まったばかりの日本のFX(為替証拠金取引)について、ポジションの大きさを調べてほしいと依頼されたことがあります。そんなことがどうして知りたいのかと当時は思いながら調べて報告しましたが、あっという間に市場は拡大。どうやら彼らは、この取引が近い将来大きく伸びることを想定し、円ショートのポジションをいち早く作っていたようです。

 

単に経済指標に詳しいだけではなく、好奇心の強さや鼻の利かせ方が大切なのでしょうね。

 

為替市場は、いまだに誤解が多く、誤った認識のままでは個人の為替取引もうまくいきません。日本人の高齢化と円安シナリオを背景に、ブラジル・レアルヘの投資も盛んでしたが、少なくともレアルはリスク回避の時に大きく反落する可能性が高い通貨であることは知っておくべきです。

 

基本的なことですが、投資で重要なのは、下がっている時に買って上がっている時に売ることです。将来、通貨高が予想される新興国通貨とはいえ、一本調子で上がることはありません。リスク回避の時に買ってリスク選好の際に売る。たしかにタイミングは難しい。そんなことができれば苦労しないと言われそうですが、だからこそ景況感に普段から関心を寄せることは、どんな投資家でも必要なのだと思います。

株価が上がり円以外でドル安に傾き始めたら要注意

『弱い日本の強い円』では、世界最大の経常赤字国の通貨であるドルの弱さについて言及しています。 2012年の為替動向についてはどのように見ていますか。

 

当面米国の政策金利がゼロ金利から抜ける可能既が低い中で、今後、米雇用統計などの経済指標が米ドルに与える影響が薄らいでいくでしょう。少しコンセンサスと違う結果となるくらいでは、市場は大きく反応しないかもしれません。むしろ、投資家のリスク選好度合いについてチェックが必要で、S&P500指数など、主だった株価の動きには注目です。

 

株価が上がる、つまりリスクオンになるとドルと円の両方が売られドル円以外のクロス円は上昇する。逆に株価が下がれば、クロス円は下がります。現時点での材料は、世界経済全体に影響を与える欧州国債の信用問題に尽きますが、ドルが今以上に弱くなると、欧州がさほど改善していなくても、ユーロドルが上昇を始めるという現象も起こりうる。

 

ドル買いポジションが溜まっている状況で、ちょっとでもドル安になれば、じりじりとユーロ/ドルが上がっていき、少し遅れてドル/円は落ちる。これが私の経験則です。株価が上がり円以外でドル安に傾き始めたら要注意といえます。

 

投機筋の資金フローについても、意識した方がいいのでしょうか。

 

むしろ逆に見ておく方がよいかもしれません。 2011年3月下旬から4月上旬にかけて、短期間に急速に円安が進んだ時期がありました。この時、周囲の話では、ドル/円買いのほとんどが短期の投機筋で、ドル買いポジションも相当大きく積み上がっている様子でした。我々はこうした情報等も元に、4月6日にレポートを出し、ドル円相場は近いうちにピークを付けて反落し、再び80円を割り込むであろうと予想しました。

クォータリー・マーケット

昨夏の債務償還のピークを乗り越え一段落するかに見えた欧州債務問題。昨年10月以降も債務国への財政支援策の不透明化、国債格下げ懸念等もあり、ユーロは引き続き軟調である。世界的なリスク回避姿勢が強まり、ドルと円か選好される状況が続いている。

 

依然低調なドル円取引

 

昨年8月4日の円売り・ドル買い介入を受けたドル買建玉の急減について触れたが、10月31日の追加大型介入で取引所FX「くりっく365」では8月介入時の10万枚を上回る18万枚の建玉減少がみられた。同日だけで10月のドル円取引の34%を占める83万枚の取引となり、1営業日の取引数量では過去最高を記録した。

 

ドル円取引は、中期的には漸減傾向にある。図1は2011年の通貨ペア別取引比率を示している。 10月のドル円取引シェアは全体の23.7%となっているが、介入による31日の取引増の影響を捨象した場合、ドル円取引は僅か16%程度に止まっていた。

 

11月から12月のドル/円相場は、概して1ドル77円台のボックス圏での小動きとなった。 12月は米国の雇用情勢の回復やクリスマス商戦の好調なと米景気回復の兆しがみえるものの、ドル円相場は反応せず底値を這う状況が続いている。 12月のドル円取引は全体の14.7%、2011年では最低水準であり、ドル円のボラティリティ低下とともに、取引回避の動きが鮮明となっている。

 

投資家の焦点はユーロ

 

ドル円相場が凪ぎとなり、取引が低調な中で、FX市場ではユーロ円、ユーロドルなどの商いの比率が高まっている。特にユーロドル取引のシェアは11月、12月と2ヵ月連続で0%を超過している。12月中旬、1ユーロ100円、1ユーロ1.3ドル水準までユー口が下落すると、投資家の多くが底値と判断して、一斉にユー口買いを進めた。

 

ただ、ユーロ円では12月中旬から新年にかけて、100円水準をさらに大きく割り込んでいるが、ユーロ反発期待の逆張りの買いポジションは際立って増えている状況にない。

 

2011年は円高進行により、1年を通じてドル買いポジションを解消できない投資家が多くみられた。そうした学習効果もあってか、ユーロ円相場では昨年9月の大幅ユーロ安局面でも、ユーロの買いは進まず、むしろ減少した。FX市場初期の逆張りの投資スタイルは変容しているようだ。

 

2010年はギリシヤ危機の顕在化によりユーロが急落、2011年は相次ぐ利上げ観測からユーロ高が進行。近年の1-3月期は、ユーロ相場の転換点となっている。今春はイタリアの国債大量償還を控え、足許では追加の利下げ観測も浮上する。さらに2012年の為替相場は、米仏の大統領選挙など、政治イベントも大きく影響する。例年以上に投資家の判断が難しい1年となるだろう。

外国為替証拠金取引(FX)が元本保証の取引ではありません。為替相場の急変動により元本以上の損失が発生する場合があります。また金利変動によるマイナススワップが発生する場合もあります。