イベントは素直についていってよいが深追いは禁物
短期売買での経済指標
経済指標の発表や政策金利の変更、G7などの世界経済会議、要人発言といったイベントは為替変動の重要なファクターといわれている。ただ、イベントと値動きの関係性からいうと事前に予定されているものとされていないものとに分けることができる。
予定されているものとしては、経済指標が該当する。たとえば米国の雇用統計などはその代表的なものだ。米国の雇用統計が公表される前後から、マーケットは事前予測値と実際の公表数値を見て思惑が浮上してくる。事前予測値に比べて、実際の公表数値が悪ければ米ドル売り、よければ米ドル買いというわけだ。
実際に雇用統計が公表されると、マーケットは大きく動く。この動きには素直に乗っていけばいいだろう。もし、雇用統計の数値が事前予想値よりも悪く、米ドルが売られれば、それに乗じて米ドルの売りポジションを積み上げていけばいい。
ここで重要なのは、すべて予想に対して結果がどうだったかということだ。結果自体にはそれほど価値はないと考えていい。
また、事前に予定されていないイベントによって動いた場合も、基本的にはその動きについていく。ひと昔前であれば、「有事のドル買い」といって、紛争などが生じるリスクが高まった時に、米ドルが買われることがあった。
ただ、このような突発的なイベントについては、その真偽をめぐって売り買いの思惑が交錯する。ちょっとした噂による動きなどは、その代表的なものだろう。「どうやら軍事的な衝突があるらしい」といったものが、その最たるものだ。もちろん、このような噂だけで動くのは危険なので、事実関係をきちんと確認することが肝心だ。当然、ただの噂であれば、瞬間的にマーケットが動意づいたとしても、すぐにまた元の水準に戻ってしまうからだ。
このように、あるイベントに基づいてマーケットが動くことを狙ってトレードすることを「イベント・ドリブン」というが、基本的にこのような手法に深追いは禁物だ。もちろん、マーケットそのものは瞬間的であるにせよ動くので、そこに利益を確保するチャンスは存在する。しかし、このようなイベントで大きく動いたとしても、すぐにマーケットに織り込まれる。つまり、元の水準に戻ってしまうということだ。
また経済指標などについては、その時々のマーケットの関心事が移ろうため、常に特定の経済指標によって相場が左右されるわけではない。雇用統計が注目されている時に、雇用統計の悪化と貿易赤字の縮小が両方伝えられた場合には、雇用統計の悪化が材料として注目されるため、「貿易赤字縮小→米ドル買い」のシナリオは、基本的に成立しない。
あるいは、とにかく不景気で、すべての経済指標が悪いような状況下では、どのような材料にも反応しないこともある。むしろ、すべてが悪い状況のもとで米ドルが買われたりした場合には、逆張りで米ドルを売り、相場が戻るところをとらえることもできる。もちろん、積極的に逆張りをすすめるつもりはないが、そこはマーケットの状況を見ながら柔軟に対応したほうがいいだろう。
またマーケットは、時々原因もないのに突拍子もない動きをすることがある。特に材料もないのに大きく動いたような時は、その動きに踊らされるのではなく、何もせずに静観することも大事だ。その時は「休むも相場」という言葉を思い出そう。いくら短期トレーディングだからといっても、常に売り買いするのではなく、自分で理解できないような動きをした時は、何もせずに放置しておくのが賢明だ。
